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個性も独創性もクソもない
ゆうすけ
今回ご紹介する学びは「個性」についてです。
コチラの『バカの壁』という本をもとにご紹介します。
- 養老孟司 著
- 解剖学者
- 東京大学名誉教授
この『バカの壁』という本2003年に初版が発行された本です。
累計発行部数はなんと400万部超えの大ベストセラー本となっています。
ゆうすけ
それが養老孟司さんの「個性」に対する考え方です。
「個性を発揮せよ」の嘘
最近では「好きなことで生きていく」「個性を発揮して個人で稼ぐ」ということが謳われていますよね。
この考えに対して養老孟司さんは「ちょっと待った」をかけたわけです。
「共通了解」について
人間は「共通了解」を広げていく方向性をもって、進歩を続けてきました。
マスメディアによって、かつては考えられなかったくらい多くの人間が同じシーンを見る、という事態が発生してきた。
それによって多くの人が共通の情報を受けるようになったのです。
共通了解が多くの人と分かり合えるための手段だ、ということを考えればそれが発展していくことは自然な流れでした。
「求められる個性を発揮せよ」という矛盾
ところが、そうした流れの逆をいくように個性を尊重する動きが、現在の日本にはあります。
文部科学省も「個性的な教育」とか「独創性豊かな子供を作る」と言っているし、「個人の時代では個性を発揮することが大事」と著名人が言っている光景をよく見かけます。
ゆうすけ
養老孟司さんは「個性の尊重は、共通了解をもって文明が発展してきた流れとは矛盾した考えだ」ということを認識すべきだと指摘しています。
その矛盾について、本書ではこんな例が書かれています。
人が笑っているところで泣いていて、お葬式で泣いているところで大笑いしてしまうような人。
それで「どうして?」と聞かれても理由が答えられない。
養老孟司さんの知っている人で、白い壁に毎日、大便で名前を書く人もいたそうです。
それを芸術的な創造行為とすれば、現代芸術の世界でもまだ誰も挑戦していないジャンルには違いありません。
明らかに他の普通の人たちとは違う「個性」を存分に発揮しています。しかし、現実問題として迷惑でたまらないわけです。
このように「個性を発揮せよ」と一言で片づけてしまうとそれは無責任な発言になってしまう、というのです。
そんなことを僕らは頭の中ではわかっていても、個性を発揮しようと努めるから、
「求められる個性を発揮しろ」
という矛盾に陥るのです。
個性とは本来、その人にとって生まれながら備わっているものであって、求められるものではないはず。
『バカの壁』概要紹介
だから、養老孟司さんはまず「共通了解が理解できる・わかる」ということが重要ということを訴えています。
そして、この「理解できる・わかる」ということがとても難しい。
現実がわからないから、何か確かなものが欲しくなって宗教を作り出してきたわけです。
結局われわれは、自分の脳に入ることしか理解できない。
つまり、最終的に突き当たる壁は、自分の脳だ。ということを題してこの『バカの壁』というタイトルの本を出版したというのです。
本書では、人生でぶつかる諸問題について
- 共同体
- 無意識
- 身体
- 個性
- 脳
など、多様な角度から考えるためのヒントを提示してくれます。
この本、僕が常識として考えていたことを壊すような現代の流れの逆張りするように主張が多く、物事を考えなおすきっかけを与えてくれました。
ゆうすけ
まとめ:こんな人におすすめ
おさらいすると紹介したコチラの本は、
- 自分はなんでもわかってるぜ!という頭でっかちな人
におすすめしたい一冊です。笑
今回は、解剖学者・東京大学名誉教授の養老孟司さん『バカの壁』に書かれている「個性」について紹介しました!
「個性を発揮せよ!」と一言で片づけてしまうのも無責任な発言になってしまうんですね..。
ゆうすけ
超超ベストセラー本ですので、ぜひ読んでみてください!
安易に「わかる」「絶対の真実がある」などと思ってしまう姿勢、そこから一元論に落ちていくのは、すぐです。
一元論にはまれば、頑固な壁の中に住むことになります。
それは一見、楽なことです。しかし向こう側のこと、自分と違う立場のことは見えなくなる。
本書より