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【感想】又吉直樹『火花』|「自分」がやりたいことと「世間」が求めるもののズレ

【感想】又吉直樹『火花』|「自分」がやりたいことと「世間」が求めるもののズレ

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ゆうすけ

どうも、花火大会の屋台で買うきゅうりの一本漬が好きな、ゆうすけです

今回は、お笑いコンビ「ピース」の又吉直樹さんが書かれた『火花』を読んだので感想を書いていこうと思います。

コチラの文庫本では、巻末付録として、又吉さんが芥川龍之介に宛てて書いた「芥川龍之介への手紙」というエッセイも収録されています。

著書の関連情報

  • 2015年、第153回芥川賞受賞
  • Netflixでネットドラマ配信
  • 板尾創路監督で映画化
  • 観月ありさ主演で舞台化

ゆうすけ

芥川賞受賞でめちゃくちゃ注目されましたよね

こちらの映画版は、Amazonプライム会員であれば無料で見れます!

火花をprime videoで見るにはコチラ

『火花』あらすじ

『火花』は売れない二人のお笑い芸人さんが主軸のお話です。

主人公は、徳永という若手芸人。ある日の花火大会の営業で4歳年上の先輩芸人・神谷に出会います。

その神谷の漫才は、お客さんを汚い言葉で罵倒し、鬼のような形相で叫び散らかすようなものでした。

その光景を目にした徳永は、こんなことを思うんです。

この人こそが真実なのだとわかった。

p12

それから、徳永は師匠のように神谷を尊敬し、弟子入りをして親交を深めていきます。

そんな二人が、芸人をやって行く中での、20代~30代の物語が書かれています。

ゆうすけ

どん底芸人の這い上がりストーリーとか、波瀾万丈物語というわけではないです

感想

僕がこの小説を読んで感じたことは、

「自分」がやりたいことと

「世間」が求めるもののズレ

神谷は売れない芸人で、借金したり、女性のヒモになっちゃうような人間なんですね。

徳永は、なぜそんな神谷を師匠といって尊敬するのか。

それは、自分が面白いと思える笑いを、正直に追い求めているからです。

花火大会で神谷が見せた、お客さんを罵倒する漫才は、多くのお客さんとか世間が期待するような漫才ではなく、神谷がしたい漫才だったんですね。

自分がやりたいこと

歳をとって、後輩芸人がでてきて、人気番組に出て、時代の寵児だともてはやされていても、ネットとかアンケートでのお客さんの評価が良くなくても、それと、神谷自身が作りたいものは常に関係のないものでした。

ゆうすけ

神谷は、自身の考え・哲学がしっかりした人間なんです。だから徳永は神谷との時間がとても好きだったんですね

要は、多くの人が求めているものでなければ、価値が低いということです。

実際、本を読んだ方なら、わかると思うんですけど、神谷は最後もう、へんなところに行きつくんですよ。それはもう、あの徳永さえも引いてしまうくらい。笑

要は「やりたいことをやる!」と突き通した人生は、第三者から見るとロクなことにならないわけです。

周りが求めるもの

僕が新卒で入社した会社の社長は内定式でこんなことを言っていました。

「学生までの評価はすべて足し算で計算される。それは例えば、テストの点数とか、部活での自分の技量とか、好きなもののスキルとか。

 

ただ、学生から社会人に移ると評価のルールが変わる。社会人は足し算ではなく掛け算で評価される。

 

<周りが求めるもの>という要素があって、それが学生のときの様に積み上げていくものと掛け合わせることによって評価が決まる。」

百獣の王でお馴染みの武井壮さんも十種競技で日本チャンピオンになった過去や、テレビで活躍した経緯をもとに「人が求める数=価値」ということをおっしゃっていました。

自分は何になりたいのか

価値が低い=無駄?

でも、神谷はそういう価値が低いものは無駄じゃないと言うんです。

淘汰された奴等の存在って、絶対に無駄じゃないねん。

一組だけしかおらんかったら、絶対にそんな面白くなってないと思うで。

だから、一回でも舞台に立った奴は絶対に必要やってん。

p155

世の中、多くのことが<競争><比較>で成り立っているから、トップがトップたらしめる理由と言うのは、その他大勢のおかげだったりする。

だから、芸人として一度でも舞台に立った人は、誰かの為になっているんですね。

神谷は、世間的に芸人と認知されなかったかもしれないけど、徳永とか恋人とか、誰かにとっては芸人であって、その人たちがいるから芸人でいさせてくれるんですね。

自分は何になりたいのか?という問い

「自分は何になりたいんだろう?」「どの職業に就こうか?」誰でも考えることですよね。

その中で例えば「絵を描くことが好きだから、イラストの会社に就職しよう」と言って、入社してみたものの、想像していた仕事とは違う…とかはよくある話です。

思い描いていた仕事と現実のギャップって必ずあると思います。

そのときって必ず、多くの人が求めるものに、自分のやりたいことを合わせにいくことが大事だと言われます。

ゆうすけ

僕が聞いた社長の話のように…ね。

自分を突き通す神谷と、その姿に憧れを抱く徳永の揺れ動く感情が描かれている本作品。

社会で人間らしく生きることってどういうことか?考えるきっかけになるのではないかと思いました!

まとめ

売れない芸人人生を通して、「自分がやりたいこと」と「世間が求めるもの」のズレが垣間見れた気がします。

「自分がやりたいことを突き通すぞ!」「自分の意志はなくていいから世間に合わせよう」のように0・100の話ではないですが、この狭間で悩んでいる人は多いのではないでしょうか。

ゆうすけ

何かを表現するクリエイティブな仕事をする人に読んで欲しい小説だと感じました

おまけ話

『人間失格』で有名な太宰治は芥川賞が欲しくてたまらなかったと言われています。

その太宰のことが大好きな又吉さんが、芥川賞を受賞して、芥川に手紙を送る。

なんか、すごく高尚な三角関係みたいで、面白いですね。

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