ネタバレ注意
どうも、ピクサー映画にハマっているゆうすけです。大人になってから観る映画って楽しいですな。
今回みたのは、2021年夏公開の「あの夏のルカ」。何回でも言うけど、映像が綺麗すぎるって・・・。夏の涼しい雰囲気と海、おとぎの国のような街並み、男の子がワクワクするような基地、、、今回は夏要素全部盛りって感じ。(あと、アルベルトの声優最高)
視覚だけでも楽しめるピクサーの映画ですが、その中でも考察というか感想というか、映画と現実を照らし合わせて今回は「二項対立」について考えてみました。
陸と海、二項対立
海の生き物にとって人間って恐ろしい生き物なわけです。僕らはお魚を日常的に食べていますが、海で大量に捕まえて殺してしまってるんですからね・・・。
「ファインディング・ニモ」でも描かれていたように、人間が乗っているボートが近づくような場所は危険なエリアとして、親には「あんな危ないところ行ってはダメよ」と教育されています。
この主人公も親にそう厳しく育てられているわけですが、ニモと違うのは「地上では人間になり、水の中では魚の身なりになる」というところです。

画像引用元:ディズニー+公式ページ
体の下半分の海に使っている部分が魚っぽくなっていて、空気に触れている部分が人間の体になっています。
完全に魚というよりは人魚に近い、かなり珍しい見た目をしているので、町の人間からは「シーモンスター」という風に呼ばれ、「恐ろしい生き物」「見つけたら捕まえる」そんな対象として見られています。
そう、この物語では・・・
- 海の生き物から見た人間:敵
- 人間から見たシーモンスター:敵
このように対立しているんです。
陸上にも生き物はたくさん存在しますが、その中でも突出して文明を築き上げてきた人間と、同じく海の生物の中でリーダーシップをとっているシーモンスター。フィールドが陸か?海か?というだけの違いで、両者を「敵」とみなしていました。
正義と悪!信者とアンチ!!たけのこの里ときのこの山!!!
人って、簡単な対立構造が大好きな生き物なんですよね。今回は「人間とシーモンスター」。
シーモンスターは見た目は普通の人間と一緒なので、映画は以下のような流れで平和が訪れます。
- シーモンスターとは知らずに仲良く過ごす
- ある時、人間に正体がバレてしまう
- でもシーモンスターの性格を知っているから悪者じゃないとして仲良くなる
映画製作者さんに申し訳ないくらい、バカみたいなまとめ方ですが、まぁおおよそこんな感じですw
で、僕は結局何が言いたいかというと・・・
対立している両者は似た者同士ってことです。
だって、「シーモンスターは伝説の生き物、恐ろしい生き物だ!!」と言っていたのに、ひとたび人間の皮を被ってしまえば、全然仲良くしてたんですよ?笑
これ、映画の中だけの話ではなくて・・・
「正義と悪」で言うと、正義と対立するのって、自分から見て悪なだけで、相手側からするとまた別の正義なんですよね。
「信者とアンチ」というのもどちらも、固執した考えを信じている者同士なわけだし、たけのこの里ときのこの山に関しては、どっちもチョコのお菓子ですからね。
批判した相手と自分は似たような人間性である。
これを、海にいれば海の生き物、陸にいれば陸の生き物として変身できるシーモンスターがわかりやすく体現してくれているなーと感じました。
このあたり、シーモンスターのようなコミカルなキャラクターを通して上手く表現してますよね。
当然、そんな考察抜きにして、世界観、友情、夏特有のワクワク感などなど楽しめる要素たっぷりの映画でした。