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悪党を倒すことは正義なの?Mr.インクレディブル面白すぎない?

画像引用元:https://www.disney.co.jp/movie/incredible-family/character/bob-mr-incredible.html

ネタバレ注意!!(僕が見たのはMr.インクレディブル・ファミリーです)

ピクサー映画「Mr.インクレディブル2」を観ました。

子供の頃は「家族でヒーローとかカッチョいい!!」としか思っていませんでしたが、大人になってから観直してみると、また違った視点でも捉えることができて、やっぱこういう一流の人たちが作ったエンタメって半端ねぇなって思っている今日この頃です。

ヒーローというと正義の代名詞で、男の子はウルトラマンや仮面ライダーは一度は通る道ですよね。そのほとんどが「悪党を倒して平和にハッピーエンド!」なわけです。

んが!

怪獣と戦ってるウルトラマンに踏み潰されてる被害者のことは誰も注目しません!フリーザがかわした悟空のかめはめ波の行き先も!!甘〜いあんぱんのせいで虫歯になる人のことも!!!

悪党を倒すことは正義なの?

Mr.インクレディブルでは「悪党VS正義」のもとで起きてしまう被害まで描いて、スーパーヒーローが逮捕されちゃったりするんですよね。

  1. ヒーローが悪党を倒す
  2. それが当たり前になる
  3. ヒーローが戦うときに生まれてしまう二次被害に文句を言う人が現れる
  4. ヒーローを法律で制限する!

主人公は良いことしてるはずなのに、街のみんなから嫌われちゃうんです。

 

SEKAI NO OWARIの「Death Disco」という曲の中でこんな歌詞があります。

せいぎせいぎせいぎせいぎ の中にあるたくさんのギセイを 君は絶対疑わない

うまいこと言いすぎてびっくりなんですがw

Mr.インクレディブルってまさに正義を追いかけた中に隠れてしまいがちな犠牲まで反映したアクション映画なんですよね。

悪党が言ったことの方が正しくね?

あまり言うとネタバレになるので注意ですが・・・映画の中で正義について考えさせられるシーンが度々でてきます。

その中で印象に残ったのが、悪党が民衆に向かって放った言葉。

そのまま書くので、見たくない人は注意してください。

彼女(スーパーヒーロー)が必死で戦っている間、お前たち(民衆)はお菓子を食べながら、ただスクリーンで見ているだけ。

自分で動くことなく、スーパーヒーローに戦わせ、擬似体験して満足している。

自分では立たずにトークショーを見て、自分で参加せずにクイズ番組を見る。

旅、人間関係、リスクを取らず、あらゆる大事な経験は離れた場所からスクリーン越しに眺めるだけだ。

辛いことから逃げ、自分からは動かない。

ただ欲しがり、消費するだけで、ソファーから立ち上がることをしない。

汗をかこうとせず人生を生きようとしない。

スーパーヒーローに守ってほしいというのは、自分たちが弱い者になるということだ。

誰かの保護がないと生きられないというのと同じ。

自分たちの要求を満たしてほしい権利を守ってほしいと求めるだけ。

便利なシステムがニッコリ笑いかけながら、大事なものを奪い続けているというのに。

さぁ、スーパーヒーローに私を止めさせろ。

お菓子を食べながらスクリーンでその様子を見ているがいい。

これ、まんま

社会に対して文句言ってるだけの人のことやん!!!!

って思いました( ・∇・)

世の中のことを全部わかったような気になって、愚痴が口癖になってる人っていると思うんですけど、本当にこの言葉がまんま当てはまると思うんですよね。

ホントに悪党のセリフの言う通りすぎる。だから僕、自分では汗をかかずに文句だけ言ってる人好きじゃないんですよ。

僕は社会人になって、ほとんどのことは自分の努力でどうにかなるって思ってから愚痴を言うことがめっきり減りました。

 

そして、悪役はスーパーヒーローに対してこんなことを言います。

あなたが私の正義を理解できれば良い友達になれたのに。

「正義の反対はもう一つの正義」という言葉がある通り、悪党にもこれが正しいと思える正義があるんですよね。

じつはバッドエンドなのでは?

この映画は「スーパーヒーローが悪党を倒して、平和に貢献したとして、その存在をみんなに認めてもらえる。」というハッピーエンドで終わります。そして、また事件が起きて家族みんなで救おうとする・・・。

これ、「わざとそうしてるんじゃね?」って思うくらい前作でも同じような終わり方なんです(ふつう、1と2で同じような終わり方にする?)。

つまり、この町では

  1. ヒーローが悪党を倒す
  2. それが当たり前になる
  3. ヒーローが戦うときに生まれてしまう二次被害に文句を言う人が現れる
  4. ヒーローを法律で制限する!

これを繰り返しているんです。

前作(過去)と同じ過ちを繰り返していると考えると、バッドエンドとも捉えることができませんか???

最後に事件を見たときスーパーヒーロー家族は「よっしゃー、おれたちの出番やで!^^」みたいなドヤ顔をかましています。

事件は本来起きてほしくないことのはずなのに!!!

うがった見方をすれば事件事故が、スーパーヒーローにとってのエキサイティングなエンタメになっちゃってるんですよ。

 

世の中には理不尽なことというのはどうしても起こる。それは完璧じゃない人間らがルールを作り、完璧じゃない人間らが秩序を守らないといけないから。

でもスーパーヒーローは力があるがゆえに、一時的にその理不尽さを力でねじ伏せることができてしまう。その歪みは、どこかでツケがまわってくる。

つまり???

悪党の言うような「国民一人ひとりが社会問題を自分ごとと捉えて強い個人になるために、スーパーヒーローは引っ込んでいろ!」という悪党の正義がとても合理的に思えてくるのでした。

こちらの記事が深く考察されていて面白かったのでシェア>【ネタバレあり】『インクレディブルファミリー』感想・考察:スーパーヒーローは”作れます”!