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大阪カラオケパブ刺殺事件から社会構造の問題点を考えてみた。

6月14日、こんなニュースがありました。胸、首に複数の刃物傷…大阪カラオケパブ25歳女性オーナー殺害 鍵のかかった店内で血まみれで発見

このニュースの概要をまとめるとこんな感じ。

  • 大阪でカラオケパブを経営する25歳の女性(まゆこさん)が常連客56歳の会社員男性に刺殺されたとされる(男性は容疑を否認してる)
  • 男性はまゆこさんを4年前から追いかけていて、まゆこさんが自分の店を持つようになった今年1月からは毎日のようにお店に来ていた(月30万くらいはお店に使ってた)
  • 男性は妻子持ち。でも自身の誕生日や子供の卒業式前日もお店で遅くまで飲んでいた

僕は関係者でもなんでもないので、べつにこちらの男性を責めたいのではなく、あくまでも「こういう事件が度々起きるけど、一般論として社会構造の問題点ってなんだろう?」ということを考えてみたという程度です。

僕の問い

ゆうすけ

最近みたニュースの中で一番ショッキングでした・・・。(犯人がこの男性だとして)この人が許されないことをしたのは前提ですが、男性は男性で家庭内でシンドイ思いをしてたのかな、、、とも思います。サービス業ってその人の心の拠り所となるぶん、こういった事件のきっかけにもなりうるんだと思いました。

僕なりの問い

  • 誰かに依存しすぎてしまうがゆえの事件って個人間の問題に思えるが、社会構造にも問題があるのか
  • また、これを個人間の問題では済ませず、こういった事件を防ぐために社会ができることって何だろう

実は、こちらのニュース、僕が最近参加したリディラバのオンラインコミュニティ「リディ部」で解説して頂いたので、そこで得た情報も踏まえて以下にまとめます。

社会構造にも問題があるのか?

ニュースを読んだだけなので、事件の起きた背景を想像で語っている部分も多分にありますが、この事件の起きた社会構造の問題点は大きく三つ。

  1. 依存度の高いビジネスモデルの問題点(ビジネスの観点)
  2. 孤独の癒し方(メンタルの観点)
  3. 警察の介入(社会保障の観点)

依存度の高いビジネスモデルの問題点

そもそも、こういったアイドル的な存在によって成立している依存度の高いビジネスモデルそのものに、こういった事件を巻き起こす危険性がはらんでいます。

国民的アイドルグループのAKB48のメンバーが握手会で襲撃されたことが以前ニュースになりましたよね。

2014年5月25日に岩手県滝沢市で行われたAKB48の握手会において発生した、メンバー・スタッフに対する傷害事件。メンバーに直接、身体的な危害が与えられた初の事案となった。

全国握手会傷害事件

このように、本来は「好き」の対象だった人を襲う事件は度々目にしますし、これはストーカーや痴漢なども含めれば膨大な数の被害者がいることは容易に想像できます。

一昔前は、アイドルというと「自分とは遠い存在で手の届かないところにいる人」というイメージが強かったように思えます。

ですが、AKBの「会いに行けるアイドル」というコンセプトが受けるような時代にシフトしたり、誰でもSNSでアイドル的存在になれる時代になったことにより、その恩恵を受けると同時にこういった事件が起こる要因にもなってしまいました。

(もちろん危害を加える行為が悪いことというのは前提ですが)このような事件が起きやすい社会になった、というのは社会構造に問題があると言わざるを得ません。

「アイドル(今回の事件では個人経営の店主)とお客さんの距離が近い」というのは、メリットと大きすぎるデメリットという両極端のことが表裏一体となっているビジネスモデルであるというのが、そもそもの問題にあげられます。

孤独の癒し方

これはかなり憶測ですが、容疑者は自身に家庭があるのにもかかわらず、毎日カラオケパブに通っていたというのは、本来感じることのない「孤独」を感じていたと思います。

多様性を認めて、誰もが趣味趣向を細かく取捨選択できるようになったというのは、一見いいことのように思えますが「ひとつの場所に依存しすぎてしまう恐れがある」という意味でもあります。

そして、この「孤独を癒して依存させるサービス」というのはたくさんあります。今回事件の起こったカラオケパブもそうでしょうし、スナックやキャバクラなど、お酒が割高で売られているということは、お客さんは「孤独を埋める」ことにお金を払っているとも言えます。

SNSで見知らぬ人と簡単に繋がることができるようになった今、孤独を癒してくれる存在がある人にとってはとても大きな心の支えになってしまうがゆえに、昔とは異なる少し歪んだ愛着心を生んでしまっているように思います。

警察の介入

被害者の女性は「客からしつこく連絡が来る」などと周りに相談をしていたそうです。

本人が嫌がっているのに、執拗につきまとっているとなると、ストーカーの条件に当てはまり、警察が介入する余地があったのかもしれません。

警視庁:ストーカー規制法

まゆこさん自身、「常連のお客さんがいることによって経営が成り立っている」という側面もあったと思うので、常連客のことをストーカーと言うのは、かなりのジレンマがあったと想像します。

ですが、周囲の人でも「過去に○○な事件があった。警察に相談してみるのもいいのでは?」というアクションがあったのなら(もしかしたらその動きはあったかもしれません)、殺害という最悪のケースはまぬがれたのかもしれません。

これもビジネスモデルの問題点と言えると思うのですが「依存度が高まる→すぐに加害ができてしまう」というこの加害行為が及ぶ間隔の短さは、喫緊の課題として捉えるべきだと思います。

事件を防ぐために社会ができることは?

以上の三点から、社会ができることを考えると、ビジネスモデルそのものの改善は難しいでしょうし、上手な孤独の癒し方というのも抽象的すぎて難しいでしょうから、まずは「こういう事件を一般化して考えて、すぐに警察に相談できる環境づくり」が第一のできることなのかなと思いました。

お客さんを犯罪者扱いしてしまうのはドライで冷徹な見方かもしれませんが「もしかして、過去にあったあの事件のようなことが起きてしまうかも・・・」と思うまま事件が起こってからでは遅いのです。

これを「カラオケパブで起きた悲しい事件」で終わらせるのではなく、構造的に考えると他にも当てはまるよね、という周知が大事で、さらにそれを防ぐためのアクションが小さくでもあれば、社会は少しずつよくなっていくと思います。

 

PS.

僕も被害者の女性の年齢のころ同じく大阪に住んでいて、同い年の友人(男)が個人で経営しているお店にちょくちょく足を運んでいました。

当時僕は会社員でしたが、その友人が独立して自分のお店を持っている姿がとても輝いて見えていたんですよね。

今回の事件がもし、その友人の場合だったら??と考えたら、悲しくてたまりません(まぁ、友人というか知り合いという感じの距離感ですが…w)。

なにしろ、これからの人生って時の若い命の芽が大人に摘まれてしまう構造がめちゃめちゃやるせないんですよ。

「大人」と言ってもひとりの人間でありそれぞれの苦悩があると思いますが、どんな人間であれ他人の人生を終わらせる権利を持つ人なんて誰もいないのです。