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政治への無関心の打破について|ウーマン村本さんの本を読んで

お笑いコンビウーマンラッシュアワーの村本大輔さんが書かれたこちらの本を読みました。僕も社会人の一人として他人事ではないなと思ったので感想を書いていきます。

被災地、原発、朝鮮学校、基地問題など、
そこに確実に存在する問題に読者をいざない、
問題の是非ではなく、
われわれの無関心な姿勢そのものに疑問を投げかけ、
深く考えさせる一冊。

どうしてその漫才をするのか?
現地に足を運び、彼は何を感じたのか?
忖度一切なし、
ウーマン村本からの最初で最後の本気のメッセージ!

村本さんの炎上

政治ネタの漫才

これは炎上というより話題になったことですが、2017年のTHE MANZAIという全国放送の漫才番組でウーマンラッシュアワーがゴリゴリの政治ネタを披露しました。日本のお笑いというと、非日常のことをネタにすることが多いので、当時はめちゃくちゃ話題になりましたね。

画像引用元:http://wakeshiri.com/post-341/

ネタになったのは原発・沖縄の基地問題・被災地の仮設住宅・アメリカ、北朝鮮などの外交問題などなど。特に衝撃だったのは、お客さんを目の前にして漫才の最後に村本さんが言い放ったこの言葉。

村本:だから本当に危機を感じないといけないのは?

パラダイス:被災地の問題よりも。

村本:原発問題よりも?

パラダイス:基地の問題よりも!

村本:北朝鮮問題よりも??

パラダイス:国民の意識の低さーー!!!

村本:ようこそ日本へー!!!!!

パラダイス:ヒャアーーー!!

パラダイス:どうもー、ありがとうございまーす!

カメラと客席を指差し睨みつける村本。

村本:お前たちのことだっ!!

選挙に行ったことがない発言

テレビ朝日の『選挙ステーション2017』にも出演していたウーマンラッシュアワーの村本さんが「選挙に行かなかった」とTwitterに投稿した。

政治をテーマにする番組に出演する人が「選挙行かなかった」と発言するので案の定大炎上。

炎上するとわかっているのに、わざわざなぜこんな発言をしたのか?

本書にはこう書かれている。

とにかく”大人”の正体を暴くことに時間を費やした。

出会う人出会う人に「選挙に行ってますか?どうして行くんですか?」と聞いた。

(中略)

その一部始終を隠し撮りする。そして「隠し撮りしてたんですけど、これ番組で使っていいですか?」と言うと、みんながみんな、撮り直してほしいと言ってきて、撮り直すと、言葉が変わる。

(中略)

テーマパークのバックヤードにカメラがいきなり入ってきたら慌てて着ぐるみを着るキャラクターたちのように、彼らは「大人」「国民」「有権者」の着ぐるみを着だした。

わからないことを「わからない」と言うこと

僕が村本さんのことを凄いなと感じたのは、わからないことを「わからない、教えてください」とはっきり言えるところだと感じました。

憲法9条の改憲議論をしているときに「そもそもなんで、敵が国に攻めてくる前提なんですか?」と聞くことができる。

選挙に行く理由を大人に聞いてみても、みんな「それっぽい意見」「なんか大人として正しそうな上っ面な言葉」を言うのに対して、「選挙に行く意味がわかならい!だから教えてくれ」と真っ裸で聞ける。

「大人としてこういう発言をしたら恥ずかしいんじゃないか・・・」と内に秘めることってあると思うんですよね。

みんながみんなそこには触れないようにして、蓋をしてるというか、見て見ぬ振りをすると、「何そんな真面目なこと言ってるんだ」って振り払ったり。

政治についての知識がない、わからないことがあるって当たり前だと思うんですよね。

学校では基礎的な部分しか学ばないし、政治って社会の問題を扱うから個人とは距離があるし、政治を語るには(歴史、経済、国際などなど)のいろんな知識がいるから。

だからまずは、大人の着ぐるみを着るんじゃなくて「わからない」と言えるところからがスタートなんじゃないかと思いました。

川で溺れる子供を助けますか?

僕は前まで「政治について勉強したところで、社会が変わるわけでもないし・・・」と思っていました。

ここでピーターシンガー(オーストラリア・メルボルン出身の哲学者、倫理学者)の思考実験を紹介します。

1,000ドルのスーツを着て、溺れそうな子供を助けますか?

たぶん助けますよね。子供の命と比べれば、ちょっとの時間やお金(ここでは約10万円のスーツ)なんて微々たるもの。

では・・・

あなたは、高価なスーツを買うのに使った1000ドルを寄付することで、遠く離れた土地で飢えている多くの子供達を救うことが出来る。

寄付しますか?

これに対しては「うーん・・・」と思うかもしれない。でも、「1000ドルを手放して子供を助ける」という点に関して根本的な違いはないのです。

 

なぜこの思考実験を紹介したかと言うと・・・「僕(私)は政治・社会問題について関心がありません」ということは、「川で溺れる子供を見ても無視します」と言っているようなものだと思ったからです。

目の前の人を助けるか、自分の視界に映っていない人を助けるか、そこには根本的な違いはないわけです。社会問題は自己責任論で片付けられないから、社会の問題となっているので。

社会人ってなに?

「社会問題への無関心の打破」をテーマに活動する団体「リディラバ」の代表である安部敏樹(あべとしき)さんはこう言っていました。

世の中って社会人という言葉があるけれども、実はあれはほとんど「会社人」なんですよ。

まさに僕も少し前まで、「社会人=働き人」だと思っていました。

「働く」というのは「社会に働きかける社会人」としてのひとつの要素であって、社会に働きかけるのはなにもお仕事だけではなく、社会問題に関心を持つ・行動することも社会人としての役割だなと。

この本「おれは無関心なあなたを傷つけたい」を読んで「社会人」と言う言葉の意味を考え直しましたね…。

おすすめラジオを紹介

これまで書いてきたことと近しいことを社会派ブロガーで有名なちきりんさんがVoicyで話されていました。これも「一人前の社会人とは?」ということを考えさせられる内容でしたので紹介します。

普段、こういう話を聞いたとしても「たしかにそうだよな・・・」と思いつつも心には響かなかったと思いますが、村本さんの本を読んだばかりのことだったので聞こえ方が変わったように思います。