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【小説】太宰治『人間失格』のあらすじと感想

【小説】太宰治『人間失格』のあらすじと感想

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ゆうすけ

どうも、純文学に興味がある、ゆうすけです

今回は太宰治の「人間失格」を読んだので感想を話そうと思います!

僕はこれまでに小説をあまり読んでこなかったし、しかもちょっと小難しそうな純文学となると、読んだ本というのは片手で数えられるくらいでした。

ただ、日本に生まれて本を読んでいる身として長い間読み継がれている名著にそろそろ手をだそうと思って、まず初めに『人間失格』を読んでみた、といった感じです。

ゆうすけ

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太宰治の基本情報

  • 1909-1948年
  • 代表作『斜陽』『走れメロス』
  • 愛人とともに自殺

『人間失格』のあらすじ

『人間失格』は、主人公と太宰治の体験が似ており、人間失格を書き終えてすぐに自殺をしていることから太宰の遺書のような小説と言われています。

本書構成

  • はしがき
  • 第一の手記
  • 第二の手記
  • 第三の手記
  • あとがき
手記とは

自分の体験やそれに基づく感想を自分で文章に書いたもの

コトバンクより

はしがきでは、誰かがある男の3枚の写真をみるところから始まります。

そのある男というのが、この物語の主人公で、写真は「幼少期」「青年期」「成人期」の3枚。

ゆうすけ

写真に写る男は3枚とも、奇妙な感覚を感じさせるような不気味に思えたそうです

大庭葉蔵という男

第一の手記から始まるこの物語は3枚の写真に写る大庭葉蔵という男の物語です。

恥の多い生涯を送って来ました。

p9

この有名な書き出しから始まります。

葉蔵の幼少期の頃からちょっとませているというか深く物事を考える子で

自分には、人間の生活というものが、見当つかないのです。

p9

というんです。

  • 人間は、どうして一日に三度ごはんを食べるのだろう?
  • 家族はどんなことを考えて生きているのだろう?

葉蔵はとても賢くて、自分が他の人とは違うという感覚に敏感で、常に不安を抱えていたんですね。

そこで考え出したのが、道化でした。

自分が考えていることをそのまま表現してしまうのは、他の人とは違うのだと恐怖すら感じてしまうから、わざとおどけて普通の子どものような明るい少年を作り出しました。

だから、はしがきで感じた葉蔵少年の奇妙さというのは、この道化からきていて、心では笑っていないのに、顔だけはしわを寄せて笑顔を振りまいている、その違和感が映し出されていたということです。

ゆうすけ

幼少期の頃から、不安を感じ、そこには恐怖すら抱き、自分ではいつも地獄の思いだったと書かれています

そんな男の子どもの頃から、二十七歳までの体験が綴られているのが『人間失格』です。

読後の感想

この本を読んで「さすがっっ、めちゃくちゃ刺さった」という感じではなかったです…。

正直ただただ「なんか、暗い物語だなぁ」みたいな感想しかでてきませんでした。笑

この物語は「まるで自分のことを書かれているようだ」と感想を抱く人が多いそうです。

それもそのはずで、この物語では主人公の葉蔵は

  • 人格障害
  • 性被害
  • 自殺未遂
  • アルコール依存
  • 薬物中毒

これらをすべて体験していて、人間のすごく弱い部分がたくさん書かれているので、自分に近いものをどこかで感じるのだと思います。

ゆうすけ

とはいっても、僕は「これ、自分のこと書かれてるなー」とは全然思いませんでした

もちろん僕に人には言えないような悩みやコンプレックスがないわけじゃないんですけど、僕に読み解く能力がないからなのか、時代背景が違うからなのかわからないですが、この物語が暗すぎて共感どころじゃないんですよね。

「わかる」ことの恐ろしさ

葉蔵は、自殺をしようとするし、酒に溺れるし、薬物にもハマるようなそんな男なんですけど、とても頭が良くて道化が上手なものだから、物凄く人に好かれるんです。

「恥の多い生涯を送って来ました。」なんて自分では思っているけど、学校では成績もよくて面白い人気者で、出会う女性出会う女性を落としていくんです。

よく通っていたバーのマダムからは

とても素直で、よく気がきいて、あれでお酒さえ飲まなければ、いいえ、飲んでも・・・神様みたいないい子でした

p155

そんな風に言われるほど人当たりがいいんですね。

それだけ人から好かれている人間が「恥の多い生涯」を送ったわけです。

ゆうすけ

僕はこれを受けて、「わかる」ということは恐ろしいことでもあるんだなと思いました

例えば葉蔵は、春の風にはばい菌が潜んでいること・お刺身やお肉には虫が潜んでいることを知っていてそれに怯えていたし、

ごはんを3粒残すということは、それを何万もの人が同じことをしたとすると膨大な量のお米を無駄にしていると思うと、米1粒すら残したときには重い罪を犯している気持ちになっていたそうです。

これは科学や統計というものが「わかる」がゆえに考えてしまうことだし、道化をしていたのも何をしたら周りの人が喜んでくれるのかが「わかる」からこその行動でした。

「恥の多い生涯」とは言っているけど、この世の中のことの多くを知っている周りとは違う自分に酔いしれているような感覚も葉蔵にはあったのではないかなと読んでいて感じました。

不完全さゆえの幸福

人間は知らないことを知ろうとする生き物なんだけど、じゃあ果たしてその「知らないこと」というのを知れば幸せだとか良いことだとか、必ずしもそうではないんだと思います。

だから、絶対的な神様という存在を作ってそれを信じてきたし、あるかどうかもわからない真理とか正解を知ろうと哲学してきたわけです。

「わかる」から善で「わからない」から悪なのではなくて、そうやってわからないことがあるんだけど、それを追い求めるということが、人間の不完全さであり、幸せを感じられるところでもあるのかなと思いました。

まとめ

今回は太宰治の『人間失格』について話しました!

『人間失格』は何度も映画化されている作品ですが、僕は見たことがないので、この物語をどのようにして映画として表現するのか、映画の方も見てみたいなとちょっと興味が湧きました。

ゆうすけ

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