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ゆうすけ
今回は、昔に読んだ村田沙耶香さんの『コンビニ人間』という小説を振り返ろうと思います!
『コンビニ人間』は第155回芥川賞受賞作です。
芥川賞というのは年に2回優れた小説に与えられる賞で、「芸術性」とか「形式」を重んじる小説に与えられます。
ゆうすけ
ただ、この『コンビニ人間』はめちゃくちゃ読みやすいうえに、160Pほどしかない比較的薄い本なので、当時読書が苦手だった僕でも、すぐに読み終わりました。
ゆうすけ
「気持ち悪いんだけど、スッキリする。」そんな小説でした。
『コンビニ人間』概要
この小説の内容を超ざっくり言うと…
「普通」という枠組みから外れた女性がコンビニで働き続ける物語です。
ゆうすけ
例えば・・・
子どものときに、公園で可哀そうな姿になっている鳥を手に取って「お母さん、これ今夜焼き鳥にして食べよ♪お父さん焼き鳥好きだもんね♪」と純粋な気持ちで言ってしまう、そんな感じ。
そんな主人公の目線で語られるから、もはや「普通」であることが気持ち悪く映っています。
読者の感想・レビュー
この本を読んだ人の感想・レビューでは
- 普通の意味について考えさせられた
- 普通であることは怖いことなのかも
という「普通ってなんだっけ?」と思わせてくれるような感想であったり
自分の中の普通じゃない部分を認められたようで救われた
という意見が見受けられました。僕も読後の感想としては同じことを感じました。
ゆうすけ
それだけだと、周りの人が言っていることと同じことを繰り返しているだけになってしまうので、ここでは僕がそれ以外に感じたことを話そうと思います。
「普通」があることの素晴らしさ
僕が『コンビニ人間』を読んで感じたことは、普通があることを素晴らしさです。
この本では、普通であることの気持ち悪さと、素晴らしさが両方描かれていると思っています。
「普通はこうする」ということがわからない主人公がコンビニで働き続ける理由は、コンビニではこうするのが普通というマニュアルを与えてくれるからなんですよね。
人として、コンビニ店員として、こうすればOKという正解を与えてくれるからラクに生きることができるわけです。
ゆうすけ
正解を疑ってみる
これ、当たり前の話かもしれないですが、立ち返って考えてみると不思議なことです。
コンビニ店員としての正解って..??
だって、コンビニを出入りするお客さんに向かって機械的に大きな声で「いらっしゃいませー」ということが正解だなんて保証はどこにもないですよね。
疲れて入ってきた人にとってその大きな声は耳障りなだけかもしれないですもん。
死んだ鳥を食べたいと思うのは…
主人公が子供のときに、鳥を手に取って「これ食べよう」と言うのは、生物的・合理的にみれば正解だし、その行為が不正解の理由なんてわからないですよね。
人間は大昔、狩りをしてたわけだし、今でも形は違えどスーパーにたくさんの動物のお肉が当たり前の顔をして売られているわけです。
正解っぽいものとする
たぶん、キッチリかっちりガッツリ考えたら、正解か不正解かわからないんだけど、「こっちの方が正解だよね、普通そうだよね」としておくことで、そのことについて考えることなくラクに、それっぽい成果が得られます。
例えば・・・
コンビニでバイトしてて
ゆうすけ
ゆうすけ
とかで、悩まないじゃないですか笑。「マニュアルに書いてあるし」とか「店長がやれって言ってるし」という理由で、それに従って働くわけです。
正解が受け継がれていく
子どものときは特に、知らないことが多いから、親がいろいろ教えてくれますよね。
- ご近所さんとすれ違った挨拶しようね
- お友達に嫌な思いをさせてしまったら、謝ろうね
- 勉強したら後々いいことがあるよ
などなど。そういうことを教えてくれるから、その必要性を考えることなく正解とされている行動ができます。
先人たちが築き上げてきた「まぁ、これが正解っぽいよね」が普通という概念だと思うので、ろくでもないものなわけないんですよね。
ちょっと余談・・・
僕は、新卒で入った会社を8ヵ月という早さで退職しました。
ゆうすけ
楽しいけど、不安だし、やることいっぱいあるし、金ないし、という今はそんな感じ。
でも、そこには僕の中の合理性というか正解っぽいものがあるんですよね。
ある程度、歳を重ねて、「普通」というものを知ったうえで、そこから外れてみるというのもアリかな…と。
まとめ
今回は村田沙耶香さんの『コンビニ人間』について書きました。
この小説はかなりインパクトがあって、たしか、2年前くらいに読んだ本なのに、今でも覚えていたので振り返ってみました。
気持ち悪いんだけど、スッキリする。とてもおすすめの本なので、ぜひ読んでみてください!

kindleはたまに変態的に破格のセールをやってます!笑

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