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今回は夏目漱石の『こころ』を読んだのであらすじ・感想を話そうと思います!
時代を超えて多くの人に読み継がれている夏目漱石の数ある作品のうちのひとつであり、国語の教科書で部分的に一度は読んだと思います。
ゆうすけ
- 1867-1916年
- 小説家、評論家、英文学者
- 代表作『坊ちゃん』『吾輩は猫である』
目次
『こころ』のあらすじ
「こころ」は上中下の三部構成となっています。
- 上:「先生と私」
- 中:「両親と私」
- 下:「先生と遺書」
主人公である学生の「私」が「先生」と呼ぶ男との出会いが書かれた上。私と危篤状態にある父親について書かれた中。先生が私宛に残した遺書の下。
ゆうすけ
ざっとあらすじを紹介していきます。
上:先生と私
学生である私は友人に誘われて東京から鎌倉に出ていました。鎌倉の海に入ろうと出かけたときに、その人混みの中に先生はいました。
そのときに私は先生に近づこうとするのですが、それはなぜかというと、先生は西洋人と一緒に居て珍しくて、それで気にかかったということです。
先生と話していると、私はその人と為りにだんだんと惹かれていき、先生の家に定期的にお邪魔するようになり、先生の奥さんとも仲良くなります。
ある日、先生の家に行くと、外出をほとんどしない先生が不在でした。先生の奥さんによると「今日はお墓参りに行っている」というのです。
どうやら、先生は定期的に誰かのお墓参りに行っているとのこと。
ある日、先生と上野へ行ったとき、花が綺麗に咲いている道を仲良さそうと寄り添って歩いている男女をみて先生が「新婚の夫婦のようだね」と言います。
それに対して私は「仲が好さそうですね」と答えたその後、先生はこう言いました。
君は今あの男と女を見て、冷評(ひやか)しましたね。あの冷評(ひやか)しのうちには君が恋を求めながらも相手を得られないという深いの声が交っていましょう
恋の満足を味わっている人はもっと暖かい声を出すものです。然し・・・然し君、恋は罪悪ですよ。解っていますか
p41
私は驚いて「先生、それはどういうことですか?」と聞くのですが、先生はそれ以上のことは教えてくれません。
中:両親と私
危篤状態にある私の父について詳しく書かれています。
父はよく「おれがいなくなったら・・・」ということを家族に話していました。
父が病気にかかって危ない、ということを先生にも話すと先生も妻に向かって「おれがいなくなったら・・・」という話をします。
「両親と私」パートでは、そんな危篤の状態にある自分の父親と、先生を比較するような私の考えが書かれています。
そして、ある日先生からとても長い手紙が来て、その最後の方をチラッとみたときに、こんなことが書かれていました。
この手紙があなたの手に落ちる頃には、私はもうこの世には居ないでしょう。とくに死んでいるでしょう
p166
下:先生と遺書
そして、最後の「先生と遺書」は、この手紙のことで、これまで謎めいていた先生の過去が、1冊の小説のような長さで書かれています。
ここで国語の教科書にも載っている「先生の親友K」と「娘」が登場します。「先生」「K」「娘」は同じ屋根の下、同じ下宿で住んでいる3人です。
先生は娘に思いを寄せていたんだけど、Kも同じように娘に思いを寄せていることをK自身から告白されます。
先生は娘を取られたくないために、Kに隠れて娘の母親に「娘さんを僕にください」と言ってしまうんです。
先生は、それをKに言い出せずにいます。その間に、Kは娘の母から娘を先生にあげることを伝えます。
それを知ったKは自殺をします。
先生は、親友を裏切り、しかもその裏切りを妻である娘にも言うことができない。その苦しみを背負っていたがゆえの私に対する「恋は罪悪ですよ。解っていますか」という言葉でした。
そして、先生はKのあとを辿るように私に遺書を残して自殺をするわけです。
読後の感想
過ちの正当化
僕はこれを読んだときに「ちょっと待て先生」と思いました。
たしかに「恋」によって嫉妬を生み、裏切りをはかり、一人の人間をも傷つけてしまうようなことをしてしまったかもしれない。
それを「恋は罪悪だ」と言ってしまうのは、それは自分の行動を正当化しようとしてるんじゃないか?と思います。
ゆうすけ
Kが自殺をする前に書いた遺書をひとりでに読んで、自分への恨み辛みが書かれていないことに安心したり、
Kの自殺には、自分の行動が強く関わっていたということを、妻にさえ正直に打ち明けていないことを「それが妻のためだ」と言い張っていたり、
そうやって自己都合のために、動く先生を見ていると、自分の犯した過ちを「恋は罪悪」だと、恋のせいにすることによって、自分を正当化しているように感じました。
価値観の違い
『こころ』を現代の人が読んだときに、「先生はなんでそんなことをするの?」とか「なぜKは自ら命を絶ってしまったのか?」と登場人物の心理がよくわからない、という感想を抱く人が多いそうです。
これには、夏目漱石が生きた明治時代という時代背景が色濃く反映されており、その時代においての価値観と、現代を生きる僕らの価値観の間に違いがあるからだそうです。
『こころ』がこれほどまでに読まれ続けているのは、明治時代の価値観と、現代の価値観の違いを男女の色恋沙汰を描く小説として綺麗に落とし込まれているからということ。
ゆうすけ
しかも、「Kが自殺をする」というくだりは、最後の最後の話で、それまでがめちゃくちゃ長くて、ぶっちゃけると「かったるかった」です…。
なんだかよくわからない話がずーっと続くので、僕はこの本を読みながら何度も寝落ちしました。というのが正直な感想です。
まとめ
日本で最も読まれている小説のひとつ夏目漱石『こころ』を読んだのであらすじ・感想を話しました!
「しかし君、恋は罪悪ですよ」
なかなかインパクトのある言葉ですよね。恋は人を変えてしまうわけです..。
あ、そういえば太宰治『人間失格』に罪の対義語を考えるシーンがありましたね…。昔の人って「罪」について考えるのが好きだね。
正直、話自体が面白かった・感動した、みたいな感想はでてこないですが、「日本で最も読まれている小説ってどういう話?」ということを知る意味では読んで良かったなと思います!
頭の良い方の分析は、ブログなり、YouTubeなりで他の人が詳しく解説しているので、より詳しい内容はそちらをご覧ください。

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