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ゆうすけ
今回は「小説が苦手な人におすすめの本の選び方」についてです。
岐阜大学教育学部研究報告に掲載されている『ノンフィクションからフィクションへと読書活動を展開する試み』という論文をもとにお話します!
『ノンフィクションからフィクションへと読書活動を展開する試み』
岐阜大学教育学部研究報告. 人文科学 = Annual report of the Faculty of Education, Gifu University. 岐阜大学教育学部 編 67(1), 1-10, 2018
(最終確認日:2019/10/29)
なぜ小説が苦手なのか
「小説は虚構だから読んでも有用性がない」という考えがあり、この論文ではある人のブログのこんな言葉が引用されています。
もはやその行為自体が私の感覚の中で受け入れられない行為と思ってしまうのです。それは小説でいくら面白くても、それは小説の作者が作った虚構の世界の中をさまよっていることに他ならないのですから。
それは負け惜しみの感情かもしれませんが、誰かの作ったフィクションの世界の中で生じる「面白い」出来事よりも、現実の世界で起きている事件のほうが、事実としてはるかに面白い、と思ってしまうのです。実際、先のアメリカ大統領選挙において、一体だれがトランプ氏が当選すると思ったでしょうか。
ゆうすけ
小説を読んでいて次の展開にワクワクするとか、出来事に対してアレコレ考えてみても
ゆうすけ
と冷めた目で見てしまう自分がいるんです。
こんなことを言うと誤解を与えてしまいますが、ブログの著者さんも「小説がつまらない!」ということが言いたいわけではありません。
「現実の出来事がオモロすぎ!」ということです。
ゆうすけ
小説が苦手な人におすすめの本の選び方
とはいっても、小説にだって学べるものはあるし、その面白さに気づかずにいるのはもったいないなと感じていました。
そこで、この論文では、そんな僕のように小説が苦手な人にでも小説が楽しめるような本の選び方が提案されています。
ゆうすけ
例えば・・・
ここでは、未解決事件を扱った小説の例が出されています。
未解決事件は犯人や動機が解明されていないから、情報に空白があるんですよね。
人間は、わからないことがあると、その穴を埋めようとします。
ゆうすけ
その穴を虚構で埋めた「半分ノンフィクション、半分フィクション」の物語を読んでみようということです。
話のオチはたとえ虚構であったとして、そこで展開される話に整合性があれば、納得感が得られますよね。
未完成なものに「嘘でもいいから説明が欲しい」という願望に応えてくれるのが、未解決事件を題材にした小説である、というのです。
「三億円事件」を題材にした小説
この論文では、1968年に発生した現金強奪事件「三億円事件」を例に挙げています。
取材によって得られたノンフィクションの部分と、作家の想像であるフィクションの部分が入り混じる作品について、いくつかの参考文献をもとに考察しています。
- 事実⇒取材によって得られた情報
- 虚構⇒作家の想像
僕はこの論文を読んだときに「なるほど」と思って、そうやって事実と虚構が入り混じる小説から読み始めてみると小説の面白さに気づけるかな思いました。
ゆうすけ
▼論文で紹介されている「三億円事件」を題材にした小説の例
ゆうすけ
調べてみると、三億円事件を題材にした物語って、たくさん作られているんですね…
歴史小説もいいかも..??
最近はいろんなジャンルの本を読もうと思っていて、「歴史小説」は教養として読んでおかないとなー、と思っていたところでした。
僕はほとんど読んだことないので詳しくは語れませんが「歴史小説」ってまさに「事実と虚構が入り混じった小説」ですよね。
しかも日本の歴史について小説を通して楽しみながら勉強することができます。そう考えると歴史小説は、
- 小説を楽しむ入り口になる
- 歴史の勉強になる
ゆうすけ
これまで、苦手だからと言って敬遠していたことでも、こう考えると、取っ掛かりの理由になるなーと思いましたね。
小説は誰かの作った虚構の世界を楽しむだけではなくて、ノンフィクションだけでは説明できない穴を埋めてくれるもの、と考えることができました。
ゆうすけ
まとめ
今回は「小説が苦手な人におすすめの本の選び方」について論文をもとにお話しました。
事実では説明しきれない穴を虚構で埋めてくれる小説を取っ掛かりとして読むべし
というのが、今回のまとめになります。
ブログの著者さんのように、僕と同じようなことを考えている人がいると知れただけでよかったし、それに対する回答が論文でまとめられていて、結構腑に落ちました。
ゆうすけ